糖尿病患者の嗅覚障害:治療と予防の重要性

2024.07.09

イントロダクション

嗅覚障害は、生活の質に大きな影響を与える症状の1つです。特に糖尿病患者においては、嗅覚障害のリスクが高まることがわかっています。今回は、Rhinologyに2024年7月1日に掲載された論文「High prevalence of long-term olfactory disorders in healthcare workers after COVID-19: A case-control study」から糖尿病患者の嗅覚障害に関する最新の研究結果をご紹介します。

研究の背景と目的

この研究は、2型糖尿病の患者における嗅覚障害の有病率と糖尿病合併症との関係を評価することを目的としています。

研究の方法

130名の2型糖尿病患者と100名の健康な対照群が参加しました。嗅覚は、 Extended Smell Test(TDI)および簡易イタリア嗅覚障害質問票(Brief-IT-QOD)を用いて評価されました。糖尿病患者は、合併症の有無によって2つのグループに分けられました。

結果

合併症を持つ糖尿病患者では、嗅覚障害の有病率が71.4%と高く、対照群の30%と比較して有意に高いことがわかりました。また、LDL値、糖化ヘモグロビン、合併症の種類(大血管障害)、年齢が嗅覚障害の予測因子として重要であることが示されました。

まとめ

この研究結果は、糖尿病患者における嗅覚障害の予防と治療の重要性を示しています。特に、糖尿病管理と定期的な嗅覚検査が重要です。

おわりに

糖尿病患者は、慢性炎症をおこす疾患で嗅覚障害のリスクが高くなります。糖尿病の適切なコントロールが嗅覚障害の予防になります。当院では、嗅覚障害に対して基準嗅力検査で精密な検査と治療を提供しています。嗅覚に異常を感じる方は、ぜひ当院にご相談ください。

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