慢性副鼻腔炎
慢性副鼻腔炎の症状
- 鼻水、鼻づまりがなかなか治らない
- 黄色い鼻水がでる
- においがわかりづらい
- 鼻水がのどにたれて、咳がでる
- 頭痛がする
- 飛行機や気圧の変化で頭痛がする
このような症状でお困りの場合は、慢性副鼻腔炎の可能性があります。慢性副鼻腔炎は、嗅覚障害の原因の半分を占めています。当クリニックでは、慢性副鼻腔炎の診断に必要な検査から薬物療法、手術療法、生物学的製剤と治療の全てを行うことができます。
(副鼻腔炎の原因について詳しく知りたい方は「副鼻腔炎のメカニズム」をご参照ください)
慢性副鼻腔炎の検査と診断
問診
どのような症状があるのか、どの症状が最もつらいかなど、日常生活にどのように支障をきたしているか、持病の有無など詳しく病状を伺います。
内視鏡検査
内視鏡を鼻の中に挿入し、鼻腔の状態を観察します。内視鏡は細いため、検査による痛みはほとんどありません。鼻腔の構造や鼻茸などの病変があるかどうかを確認します。
副鼻腔CT検査
鼻腔の構造や副鼻腔の状態の確認を行います。内視鏡検査で観察することのできない副鼻腔の粘膜の腫脹や膿の貯留があるかなどの状態を把握することができます。
嗅覚検査
基準嗅力検査と静脈性嗅覚検査を行い、嗅覚の状態を評価します。
鼻腔通気検査
左右それぞれの鼻づまりの程度を鼻腔の空気抵抗を測定することで評価します。
血液検査
白血球の一種である好酸球の比率やアレルギー性鼻炎の合併があるか確認します。
組織検査
鼻茸や病変を生検することで、病気を診断します。好酸球性副鼻腔炎を疑う場合であれば、好酸球の数や好酸球が多く集まる部位に生じる細長い結晶(シャルコーライデン結晶)があるかどうかを調べます。診断や再発のしやすさの判定に役立ちます。
下気道検査
下気道とは、声帯より下の気管、肺のことをいいます。喘息は下気道の代表的な病気です。喘息を疑う場合には、下気道の状態を調べるために呼吸機能検査、呼気NO検査、モストグラフを行います。
慢性副鼻腔炎の治療
薬物療法
粘膜の機能を回復させるためにクラリスロマイシン、カルボシステインなどを3か月間内服します。アレルギー性鼻炎の合併がある場合は、ステロイド点鼻薬や第二世代抗ヒスタミン薬などを併用します。喘息をお持ちの場合は、ステロイド吸入薬を併用します。
手術療法
薬物を投与しても症状が改善しない場合は、手術を検討します。
現在では内視鏡を用いて鼻の穴の中から副鼻腔の手術を行うことができ、患者さんの体への負担が少なく手術ができるようになりました。また、当クリニックでは、患者さんが手術中に不安や痛みを感じないように全身麻酔で手術を行っています。
(詳しく知りたい方は「当院での日帰り手術」をご参照ください)
生物学的製剤
鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎で手術を行い、再発した場合が基本的な適応となります。デュピクセントという注射を2週間に一度行います。
(詳しく知りたい方は「好酸球性副鼻腔炎」をご参照ください)