鼻づまり

  • #よくある症状について
  • 鼻づまりは様々な鼻の症状の中で最もつらい症状といわれています。鼻づまりを引き起こす代表的な病気には、アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎、中鼻甲介蜂巣、薬剤性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻腔腫瘍などがあげられます。また、鼻づまりが原因で嗅覚障害が生じることもあります。

    アレルギー性鼻炎

    アレルギー性鼻炎は、鼻づまり、頭痛、鼻水がのどに垂れる(後鼻漏)などのつらい症状を引き起こします。特に、鼻づまりは寝ている途中で目が覚めてしまうなど睡眠の質や集中力を低下させ、仕事や勉強の捗りに影響を与えることが指摘されています。一年中の症状を生じるダニやハウスダストに反応する通年性アレルギー性鼻炎や、春などの花粉に反応する季節性アレルギー性鼻炎があげられます。そのような原因となる抗原を回避することや様々な薬物療法を行っても症状が改善しない方や、副作用で薬が使用できない方には、手術という選択肢があります。

    鼻中隔弯曲症

    鼻中隔は、鼻腔を左右に分ける仕切りのことをいいます。鼻中隔は、軟骨や骨からなり、外枠の骨に囲われた中で、軟骨が成長するため弯曲が生じるといわれています。そのため、鼻中隔の弯曲は7~8割の方に認められますが、鼻中隔の弯曲が強いと、鼻づまりの原因になります。その場合は、薬物療法による効果は乏しいため、手術をおすすめします。

    肥厚性鼻炎

    アレルギー性鼻炎や炎症が長期にわたることで鼻の中の粘膜、特に下鼻甲介という粘膜のヒダが厚くなっている状態を肥厚性鼻炎と呼びます。下鼻甲介が厚い原因として、粘膜が厚い場合や骨が厚い場合など様々なバリエーションがあるためCT検査にて鼻の構造を確認し、最適な手術方法を選択します。

    中鼻甲介蜂巣

    鼻腔の中には、上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介という3つの粘膜ヒダがあります。その1つの中鼻甲介の骨の中に空洞がある場合を中鼻甲介蜂巣と呼びます。中鼻甲介蜂巣は、20%程度で発生すると言われ、そのうち30%くらいが鼻づまりの原因になるような空気の通り道を塞ぐような大きい中鼻甲介蜂巣と言われいます。鼻中隔弯曲症と同様に鼻腔形態異常がある場合は、手術により鼻腔形態を整えることで鼻づまりを治療します。中鼻甲介蜂巣の一部を切除することで空気の通り道を作成します。

    薬剤性鼻炎

    薬剤が鼻の粘膜に作用して鼻づまりが生じます。薬剤性鼻炎の有病率は1%程度といわれています(Allergy.2022)。特に多い原因としては、点鼻血管収縮薬の使い過ぎによるものです。市販の点鼻薬は血管収縮薬を含んでいて、鼻にスプレーをすると血管収縮作用で下鼻甲介などの粘膜が収縮し、一時的に鼻づまりが改善します。その後、リバウンド現象で粘膜の腫脹が増悪し、鼻閉が悪化します。さらに、血管収縮作用の効果が短くなることで、スプレーを頻回にしないと鼻づまりを抑えられない状態になってしまいます。もともと、点鼻血管収縮薬を使用しすぎてしまう背景に、アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症などの鼻づまりを引き起こす病気を持っていることが多く、それらの治療を行いながら血管収縮薬の使用を中止することが大切です。
    他の鼻づまりを引き起こす薬には、カプトリプルなどの高血圧の薬、イブプロフェンなどの鎮痛薬、メルカゾールなどの抗甲状腺薬、ピル(経口避妊薬)、AGAの治療薬(プロペシヤア)、精神病治療薬などがあります。
    薬物を中止や変更しても改善しない鼻づまりが残る場合には、手術を検討いたします。

    慢性副鼻腔炎

    副鼻腔炎が3か月以上続く場合を慢性副鼻腔炎(慢性鼻副鼻腔炎)と呼びます。鼻づまりだけでなく、鼻水、後鼻漏、頭痛などの症状も出現します。喘息を合併しやすい好酸球性副鼻腔炎では、鼻茸ができやすく鼻づまりと嗅覚障害の原因になります。薬物療法で症状が改善しない場合は内視鏡下副鼻腔手術を行います。

    鼻腔腫瘍

    鼻腔にできる腫瘍は良性腫瘍である内反性乳頭腫が最も多いです。内反性乳頭腫は50~60歳の男性に多く、女性に比べ2~5倍多いと言われています。ヒトパピローマウイルスが原因の1つと考えらえています。腫瘍ができるのは、ほとんどが片側のため、片側の鼻づまりや鼻水、鼻血がでることもあります。他の腫瘍としては、血管腫、上顎癌、悪性リンパ腫などがあり、内視鏡検査に加えてCT検査やMRI検査などで精査を行います。

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