慢性鼻副鼻腔炎と新規発症の喘息の関連

2025.02.04

背景

慢性鼻副鼻腔炎は、長期にわたる副鼻腔の炎症を特徴とする疾患であり、呼吸器系に影響を及ぼすことが知られています。本研究では、慢性鼻副鼻腔炎が新規発症の成人喘息と関連しているかを調査しました。

研究方法

2008年から2019年の電子健康記録データを用いた前向きコホート研究を実施し、35,441人の新規喘息患者890,956人の非喘息患者を比較しました。

慢性鼻副鼻腔炎の診断基準

  • CTスキャンによる診断(客観的な画像評価)
  • 異なる日の2回以上の慢性鼻副鼻腔炎の診断記録(Two diagnosis)

結果

  • 慢性鼻副鼻腔炎のある人は、新規喘息のリスクが1.5〜2.2倍高かった。
    • CT診断の場合: HR 2.21(95% CI: 1.93–2.54)
    • Two Diagnosisの場合: HR 1.48(95% CI: 1.38–1.59)
  • 副鼻腔手術を受けた人では、新規喘息の発症が少なかった。
  • 慢性鼻副鼻腔炎の持続期間が短いほど、新規喘息のリスクが高かった。

考察と結論

慢性鼻副鼻腔炎と新規喘息の発症リスクには強い関連が認められました。特に、CTスキャンで診断された慢性鼻副鼻腔炎患者は、新規喘息の発症リスクが2倍以上であり、慢性鼻副鼻腔炎の適切な管理が成人発症の喘息を予防する可能性を示唆しています。

今後、慢性鼻副鼻腔炎の治療が喘息発症のリスク低減につながるかについて、さらなる研究が求められます。

副鼻腔炎の手術をご検討の方へ

慢性鼻副鼻腔炎による鼻づまりや嗅覚障害でお困りの方、当クリニックでは内視鏡下鼻副鼻腔手術の日帰り手術にも対応しております。CT検査、基準嗅力検査などの詳細な検査から診断を行い、耳鼻咽喉科医と呼吸器医による最適な治療法をご提案します。慢性鼻副鼻腔炎の手術をご検討の方は、ぜひ当院までご相談ください。

引用はこちらからhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37195236/

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