慢性副鼻腔炎の治療には薬物療法と手術のどちらが有効か?
2023.12.20- #豆知識
Patel ZM, Int Forum Allergy Rhinol. 2017 (PMID: 27863163)
論文を集計しデータを解析した論文です。970研究のうち6研究がシステマティックレビュー、5研究がメタアナリシスの研究対象とし、
・内視鏡下副鼻腔手術は薬物療法と比べQOLスコア(p<0.00001)および鼻内視鏡スコア(p<0.00001)を有意に改善した。
・QOLが非常に低い患者では、手術のみで有意に改善、QOLが軽度低下の患者では、手術後の薬物療法を続けることで治療効果が維持された。
Haung T, Eur Arch Otorhinolaryngol, 2023 (PMID:38108847)
メタアナリシスで治療後の患者1931人と治療前の患者295人の9件の研究からは、
・治療前は患者の8%のみがコントロール良好
・患者の35~40%が治療後に良好なコントロール
以上から、慢性副鼻腔炎の患者さんでは、治療の介入が必要な場合がほとんどです。
まずは薬物療法を行い、改善しない場合は、内視鏡下副鼻腔手術をします。
必要に応じて薬物療法も継続しながら、症状をコントロールすることが大事であると考えます。