手術道具の品質管理
鼻の手術を行うには、通常の耳鼻咽喉科に比べて数多くの鉗子が必要になります。アレルギー性鼻炎に対する手術では、主に鼻中隔矯正術、下鼻甲介手術、後鼻神経切断術を行いますが、鉗子が10種類ほど必要になります。また、慢性副鼻腔炎に行う内視鏡下副鼻腔手術では、複雑な副鼻腔の壁を取り除くため20から30種類もの鉗子を使い分けて手術を行います。当院では、患者様に安全で高品質な医療を提供するため、洗浄、消毒、滅菌の品質管理にも力を入れています。
洗浄消毒滅菌管理には、国家資格というものは存在せず、新人スタッフは先輩から業務を学ぶ以外に教育を受ける機会はほとんどありません。洗浄消毒滅菌のガイドラインはありますが、現場に合わせた適切な指導ができていることは稀で、施設ごとの慣習で洗浄・消毒・滅菌が行われているのが現状です。
当院では、洗浄消毒滅菌管理に専門の知識と技術が必要と考え、(株)SKメディカルと共同で正しい知識を持ったスタッフを育成し、品質管理を行なっています。当院の滅菌では、バイオロジカルインジケーターを用いて滅菌保証を行なっています。患者さんの健康と安全を守るため、当院ではこのような徹底した品質管理を行っております。どうぞ安心して当院をご利用ください。
洗浄の重要性
医療機器は、再利用する前に汚れをしっかりと洗い流さなければなりません。この洗浄が不十分だと、消毒や滅菌の効果が低下し、患者様や医療従事者の安全が守れません。当院では、定められた方法で洗浄を行い、品質を保証しています。洗浄には、手洗いと機械洗浄の二つの方法がありますが、品質と感染防止の観点から機械洗浄を優先しています。また、手術後の器材は速やかに洗浄することで、汚れの固着を防いでいます。
洗浄の方法
洗浄には、物理的作用(水流やブラシ)と化学的作用(洗浄剤)が必要です。特に、水の質や洗剤の選択、機械的な力の利用が重要です。当院では、これらの要素を適切に管理し、高い洗浄効果を実現しています。
すすぎの重要性
洗浄後は、洗剤が残らないように十分にすすぐことが重要です。残留した洗剤は、患者様に重大な影響を及ぼすことがあります。当院では、機械洗浄では水を2回交換し、手洗いの場合は特に注意を払ってすすぎを行っています。
滅菌の方法
滅菌とは、医療器具などの表面にいるすべての微生物(細菌、ウイルス、菌類など)を完全に取り除くことです。これにより、器具が完全に清潔で無菌の状態になり、感染症のリスクを減らすことができます。当院の滅菌では、バイオロジカルインジケーターを用いて滅菌保証を行なっています。バイオロジカルインジケーターとは、特定の微生物を含む小さな装置で、これらの微生物は滅菌プロセスで最も死滅しにくいとされています。滅菌後にこれらの微生物が死滅していることを確認することで、他のすべての微生物も確実に除去されているという信頼性の高い証拠を得ることができます。これにより、当院では患者さんに対して、より安全で信頼性の高い手術を提供できるようにしています。