医療機器・設備

当院では、内視鏡下鼻副鼻腔手術を日帰りで安全に提供するために、最新の医療機器を取り揃えています。以下に、それぞれの機器の紹介をいたします。

4K内視鏡システムIMAGE1 STM 4U(Karl Storz)

慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの手術、内視鏡下鼻副鼻腔手術には高性能カメラが欠かせません。当院では、Karl Storz社の最新の4KビデオカメラシステムであるIMAGE1 STM 4Uを導入しております。
従来のフルハイビジョンの解像度は約200万画素に比べ、4Kシステムでは解像度が約830万画素と約4倍となり、色域が広く色鮮やかに表現されるため、これまでには表現されなかった細部まで非常に見やすい画質で手術を行うことができます。
さらにIMAGE1 STM 4Udでは、

  • CLARA:術野を均一的な明るさに調節し、深部も認識しやすくする
  • CHROMA:コントラストを強化し、組織の違いを際立たせる
  • SPECTRA:波長のシフトと強弱調整により、血管を認識しやすくする

という3つの新たな画像強調テクノロジーをもち、より安全な手術をサポートしてくれます。

副鼻腔手術ナビゲーションシステムStealth Station FlexENTTM(Medtronic)

当院では、クリニックでは非常に導入例の少ないナビゲーションシステムを用いて慢性副鼻腔炎の手術を行っています。Stealth Station FlexENTTMを開発したメドトロニック社は、20年以上にわたり、耳鼻咽喉科手術用のナビゲーションシステムの開発、改良を行ってきたパイオニアです。Stealth Station FlexENTTMでは磁場式ナビゲーションシステムを採用しており、エミッターと呼ばれる磁場領域を用いて、あらかじめ取り込んでおいた患者様の副鼻腔CTと手術器具の位置関係をリアルタイムで表示します。従来の赤外線を利用した光学式ナビゲーションに比べ、術者の動きを妨げることなく持続的なナビゲーションができることが特徴です。

副鼻腔の形は、1人ひとり異なる複雑な構造をしており、術前にCTで特徴を覚える必要があります。手術のナビゲーションシステムは、手術中にリアルタイムで器械がどこにあるか術者に知らせるため、複雑な副鼻腔の中で道しるべになります。車の運転で初めて行く場所にナビゲーションがあった方が安全で確実であるように、内視鏡下鼻副鼻腔手術を行うには、必須のシステムと考えています。

ENTドリルシステム・ハンドピース Powered ENT instruments(Medtronic)

慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下鼻副鼻腔手術が導入されてから約30年が経ち、この分野では多くの進展とイノベーションがありました。その中でも特に革新的な役割を果たしたのが、マイクロデブリッターです。この器具は、吸引しつつ先端の歯が回転することで、病変した粘膜を効果的に除去します。さらにナビゲーションシステムと連動することで、手術の安全性が向上します。

最新のマイクロデブリッターのM5ハンドピースは、以前のM4ハンドピースに比べ、ひと回り小さくなることで、重心の位置が安定し操作性が向上しました。当院では、ハンドピースに接続するブレードを0度、40度、60度、120度と様々な角度のものを用意し、患者様の複雑な副鼻腔の構造に対応できるようにしています。

マイクロデブリッターを使用した内視鏡下鼻副鼻腔手術は、副鼻腔内の病的粘膜を取り除き、健康な粘膜面を残す繊細な作業を行うことで、粘膜の損傷を最小限に抑え、患者様の負担を軽減することに貢献しています。

院長は、日本鼻科学会の臨床ハンズオンセミナーなどで手術の指導に携わり、マイクロデブリッターの使用方法について指導しています。

エンドスクラブ内視鏡レンズ先端洗浄用シース(Medtronic)

エンドスクラブ内視鏡レンズ先端洗浄用シースとは、4mmの内視鏡に0.7mmの細い筒(シース)をいれることで、生理食塩水を流し、内視鏡や術野を洗浄します。車の運転に例えますと、夜間、雨の中で運転する状態ではなく、晴れた日中に運転をできるような状態になりますので、安全な内視鏡下鼻副鼻腔手術をサポートしてくれる大事な機器の1つです。

基準嗅力検査(T&Tオルファクトメトリー)

基準嗅力検査では、T&Tオルファクトメーターという基準臭を用いた検査で、日本で開発された嗅覚検査キットです。開発者である豊田先生と高木先生の両名の頭文字をとり、別名でT&Tオルファクトメトリーともいいます。基準臭5種類のにおいをそれぞれ濃度の薄いものから順に濃いものを嗅ぎ、においを感じた濃度と、どのようなにおいか表現ができた濃度(認知域値と呼びます)を測定します。認知域値の5種類の平均値で嗅覚障害の程度を分類します。嗅覚は自覚による感覚と、実際の検査では乖離があることが知られています。そのため、嗅覚障害の診療には基準嗅力検査は欠かせない検査と考えています。

コーンビームCT RAYSCAN m+(Ray Japan)

当院で採用するCTは、患者様の被曝量の少ないコーンビームCTを採用しています。コーンビームCTは、空間分解能が高く、画像の乱れが少ないのが特徴で、鼻腔や副鼻腔などの細かい構造の撮影に適しています。嗅覚障害や鼻づまりなどで、副鼻腔炎があるかどうか、嗅粘膜への空気の通り道が開通しているか、鼻中隔の弯曲など鼻腔の構造に問題がないかを調べるのに、非常に有用です。

また、RAYSCAN m+は、胸部レントゲン検査の機能も備えております。全身麻酔手術を行う患者様や咳が長引いている患者様に、検査を実施しています。呼吸器内科医と同時に診療することで空気の通り道である上気道、下気道の病気を診断、治療します。

電子式診断用スパイロメータ スパイロシフト SP-390Rhino(フクダ電子)

呼吸機能検査(スパイロメータ―)と鼻腔通気度検査の2つの機能を搭載したモデルです。

肺の機能を数値化し、LMS法による日本人のスパイロメトリー新基準値に照らし合わせて評価することができます。経時的な変化を確認することによって、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断のみでなく治療の効果判定にも役立ちます。また手術前にも実施し、安全に手術を行えるかの判断にも用いられます。

鼻腔通気度検査は鼻づまりの検査で、鼻中隔弯曲症や肥厚性鼻炎の手術の決定や、睡眠時無呼吸症候群の診断、CPAPの離脱の可能性が高いか確認することができます。

呼気一酸化窒素濃度検査 NObreath(フクダ電子)

喘息など気管支の表面に好酸球が増えて炎症を起こしている場合、一酸化窒素(NO)の産生が増えます。そのため、呼気中のNO濃度を測定することで好酸球性気道炎症の存在や程度を知ることができるとされています。特に、好酸球性副鼻腔炎を合併する喘息の方では高値になります。喘息の診断や治療の効果判定に役立てています。

モストグラフ 呼吸抵抗計 RESMONプロV3(フクダ電子)

モストグラフは気道の抵抗を調べることのできる広域周波オシレーション法を用いた新しい検査法です。相互干渉を最小限に抑えるよう5Hz、11Hz、19Hzをマルチ周波数モードとして記録します。一般的に喘息、咳喘息やCOPDなどの疾患は、気管支や肺胞が狭くなって息を吐きだしにくい状態となっています。本検査では、普通に呼吸をした状態で、空気の通りやすさと肺の膨らみにくさを数値とカラーグラフィックで表示でき、周波数ごとに抵抗を見ることで肺の状態を確認します。こちらも喘息やCOPDの診断や治療効果の判定に有用な検査です。

高周波ラジオ波メス サージトロンdual EMC(ellman-Japan)

サージトロン(RFナイフ)は、一般的なメスの約10倍である4.0MHzの高密度なエネルギーをピンポイントに集中させることで、熱による侵襲範囲を抑え、微細な切開・凝固を可能にします。そのため、サージトロンは内視鏡下鼻副鼻腔手術中の出血部位に対する止血を身体への負担を最小限にして行うことができます。

コブレーター2 サージェリー システム(Smith&Nephew Japan)

コブレーターは高周波バイポーラシステムを採用し、アクティブ電極から出た電流が、即座に回収されるため、周囲組織への熱損傷が少ないのが特徴です。下鼻甲介の機能に重要な粘膜への損傷を最小限にとどめ、70度の低温度で粘膜下を局所に変性させます。コブレーターを用いた下鼻甲介手術は、従来のレーザーに比べて鼻の中に痂皮が付きづらく、鼻づまりの効果が長期的に続くのが特徴です。

外科用手術台DR-2600(TAKARA BELMONT)

手術台DR-2600は、縦転、横転、昇降機能があり、手術中の患者様の身体の負担を最小限にします。また、術者にとっても最適な姿勢で手術を行うことができ、ベストなパフォーマンスを維持するのをサポートします。

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